東京一極集中の将来
(撮影)HeadLine編集長 中野 哲也 RICOH GRⅢ使用
(【尾灯】写真) RICOH Quarterly HeadLine Vol.25 2019 秋
本号「コンパクトシティが地方を救う(第20回)」で指摘した通り、日本全体の人口が減り続ける一方で、東京一極集中が加速している。東京都の推計によると、2019年1月1日現在の都の人口は23年連続で増加して1386万人。前年比増加数(10.3万人)を区市町村別にみると、世田谷区の8800人増がトップ。以下、品川、大田、中央、江東の各区がいずれも5000人以上増やしており、タワーマンションに象徴されるように都心への人口回帰が続く。半面、23区外では人口が最大の八王子市や2位の町田市などは減り始めている。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、都全体の人口も2030年にピークを記録した後、2035年以降は減少する。東京に人口を大量供給してきた道府県がその余力を失うからだ。となると将来、東京も都心に人口とインフラを集中させるコンパクトシティ、つまりかつての「江戸」を復活させる時代が来るかもしれない。(N)